あなたはなんで家を建てようと思いましたか?
- 家族みんなでたのしく暮らすため?
- 広い家で子どもをのびのびと遊ばせるため?
- 自分たち家族の思い出を貯めていける家が欲しかったから?
私も家を建てるときにそういった想いはもちろんありました。
でも、実は私が家を建てることを決意したのはそれだけが理由じゃありません。
仕事が辛くて辛くて、ただただ辞めたかった。
現実逃避のために家を建てようと決めた部分もあるんです。
住宅ローンを組んだら仕事をやめようと思ってた
私が家を建てようと考えはじめたのは、仕事で部署異動があった年でした。
新しく配属された部署は仕事の量が多く、慣れない業務ばかり。上司に詰められることも多々あり、本当に辛かったんです。
精神的にダウンして職場に行けなくなることはありませんでした。
でも、辛すぎて風邪だとウソをついて仕事を休んだこともあります。
そんなとき妻に誘われたんです。
『住宅展示場に行ってみたい』と。
住宅展示場に行くとすごく楽しかった。
どのハウスメーカーの話を聞いても、心が躍りました。
「マイホームを持つ」ってのは、多くの人が夢見ることです。
住宅展示場には夢や希望に溢れた空間に見えたんです。(少なくとも、仕事に疲弊していた私には。)
住宅展示場を回るうちに、私もマイホームを持ってみたいと夢見るようになったんです。
だけど、私は仕事が辛くて、病気休暇になる可能性もあったし、退職や転職も考えてました。
通常の判断なら、「仕事が安定してない=住宅ローン返済ができるか不確定」なので、家を建てようとしません。
でも、私は仕事に疲れ、正常な判断ができる状態ではありません。
むしろ、こう考えたんです。
『仕事を辞めるなら住宅ローンを組んでからだな。』
転職や退職すれば住宅ローンの審査に響くので、いまの職場で住宅ローンを組んでから仕事を辞めてやろうと思ったんです。
「家を建てれば人生もバラ色になるはず」という妄想
家づくりの打ち合わせがはじまると、本当に楽しかったです。
これから建てる家のことを考えている間は、仕事のことを忘れられました。
仕事が辛くて嫌なのは相変わらずで、『いつかは辞めてやる』って変わらず思ってましたけどね。
日曜日になると、必ず頭痛や吐き気があって、月曜日が永遠に来なきゃいいと思ってました。
インフルエンザで39度以上の高熱が4日以上も続いて、ひょっとしたらインフルエンザ以外が原因かもしれないと精密検査を受けました。
精密検査の前に、『内臓が悪いのかもしれない。手術が必要かも。』と医者に言われたときは、『手術になれば仕事が休める』って嬉しくなりました。(結局手術は必要なくて、ただのインフルエンザだったんですけどね。)
そんな仕事が辛い中で、家づくりの打ち合わせだけが私の楽しみ。
いつしか、マイホームへの妄想を糧に生きるようになってました。
『マイホームさえ完成すれば、生活が楽しくなるはず。』
『マイホームがあれば、人生が変わるはず』
家は完成したけど何かが変わったわけじゃない
無事にマイホームが完成しました。
でも、家が完成する前に思い描いてたような、劇的に人生が変わることはありませんでした。
当たり前ですよね。
マイホームは家族と過ごすための場所ですけど、私の人生を変えるほどの要素になったりはしません。
家が完成して住み始めたとき、嬉しくて楽しかったですけど、思い描いてたような人生逆転は起きなくてがっかりしました。
『マイホームさえ手に入れば、人生が楽しくなるはず』
今思い返すと、思い込むことでなんとか辛い現実に耐えてたんです。
マイホームでの家族いっしょの暮らしは楽しい
マイホームが完成して劇的に人生は変わることはありませんでした。
しかも、35年の住宅ローン返済が始まった。
家を建てると決意したときに比べれば、いくらか冷静さを取り戻した自分は気づきました。
『もう、簡単に仕事なんてやめられねぇじゃん。』
でも、家が完成後しばらくして二人目の息子が生まれました。
前に住んでた賃貸の家は狭くて、お兄ちゃんだけのときも家の中で十分に遊ぶことができなかった。
今は弟も成長して、3歳と1歳の息子がいるけど、みんなで遊ぶことができる。
マイホームを手に入れても仕事は変わらず辛かった。
でも、息子や妻と過ごしてると本当に家を建ててよかったと思いました。
人生を楽しくするのは自分自身
家が建って1年が経過して、辛くてしょうがなかった仕事も、少しは前向きに取り組めるようになりました。
でも、今の仕事をこのままずっと続けていけるかどうかは自信がありません。
年齢を重ねれば重ねるほど、興味が持てない仕事の比重が大きくなるんです。
家族と楽しく過ごせる大好きなマイホームはあるけど、35年という長期の住宅ローンもある。
仕事に興味が持てないからこのまま続けていけるか不安だけど、住宅ローンは返さなきゃいけないし、子どもたちと生活してかなきゃいけない。
『住宅ローンや生活のために、このまま仕事を続けるのか。』
『今よりもつまらなくて、待遇も悪い仕事に当たるリスクを抱えて転職するか。』
だけど、家を建てたことは後悔してません。
家族と家で過ごす時間は落ち着いて癒されるし。
2人目の息子が生まれたこともあるけど、家を建てて考え方が変わりました。
『家族と自分は自分自身で守る。』
『家族や自分を犠牲にしてまで会社に貢献しない。』
家族や自分を守れるのは自分だけ。
私が精神的に潰れても、誰も私たち家族を守ってくれません。
家族と楽しく過ごしていくためにどうすればいいか、を優先して考えられるようになりました。
なんでかは分かりませんが、マイホームを手に入れたことがきっかけの一つだったことはまちがいない。
さいごに
私の家づくりは、仕事が不安定なとこからはじまりました。
今は「すぐにでも辞めたい」って思うほどは辛くないので、住宅ローンもなんとか返済できてます。
住宅ローンを組んで、仕事を簡単には辞められなくなったのも事実。
でも、よく考えると息子たちが生まれてきた時点で、簡単に仕事を辞められるわけなかったんですよね。
今は「辞める」というより、「どこの職場で、どうやって仕事を続けていくか」を大事に考えてます。
これからも、家族との生活やマイホーム、自分を守るために主体的に生きていけるようにしていきたい。
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