注文住宅の見積もりに「浄化槽の設置費用」が入ってると、「なんだこれ?」って思いませんか?
私も見たときは「必要ない経費なんじゃないか?」って疑いました。
でも、浄化槽はとても大切なもの。
下水道の代わりに生活汚水をキレイにしてくれるんです。
下水道と浄化槽
浄化槽って聞いたことがありますか?
トイレやキッチンで出た汚水は、通常だと下水道に流されていきます。
下水道を通って汚水をキレイにしてくれる施設に流れつきます。
でも、まだ下水道が整備されてない地域もあるんです。
下水道がない地域でも、トイレやキッチンの汚水をそのまま川に流すわけにはいきません。
下水道がない地域は、敷地内の地中に汚水をキレイにしてくれる装置を設置します。
家の敷地内にある汚水をキレイにしてくれる装置のことを、浄化槽(じょうかそう)と言うんです。
浄化槽にかかる費用
浄化槽の家で暮らすには2つのお金がかかります。
- 浄化槽を設置する費用
- メンテナンスや管理の費用
我が家が実際にかかってるお金は次のとおりです。
- 設置費用54万円(5人用)
- メンテナンス費用5万円(法定点検込み)
浄化槽だと不必要なお金がかかってるように思いませんか?
でも、浄化槽じゃない下水道だってお金はかかります。
- 下水道を敷地に引き込む費用
- 下水道料金
下水道料金は水道代といっしょに払うので分かりにくいんですが、下水道もちゃんと維持費を払ってるんです。
浄化槽は下水道よりもお金が多くかかることはあります。
でも、「浄化槽=下水道よりもはるかに多くのお金がかかる」わけじゃないんですよ。
浄化槽のメンテナンス
- 保守点検(数ヶ月に1回)
- 清掃(年に1回)
- 法定検査(年に1回)
- 保守点検は、浄化槽内で発生した害虫を駆除したり、消毒液の補充。
- 清掃は、浄化槽内にたまった汚れを取り出したり、機械の掃除。
- 法定検査は、保守点検やせいそうが適切に行われてるかのチェック。
3つもあると大変なように思いますが、実際は住んでる人は何もする必要がありません。
浄化槽管理の専門会社と契約するので、面倒なことは一つもありません。
年間の維持費用のお金を払いさえすれば、浄化槽の清掃会社がすべてやってくれます。
私は保守点検や清掃には一度も立ち会ったことがないので、本当に負担はありませんよ。
浄化槽の家で暮らすときに気をつけること
一般社団法人 全国浄化槽団体連合会のホームページ一般社団法人 全国浄化槽団体連合会のホームページによると、次の3つが注意点としてあげられてます。
- 浄化槽の電源を切らない。
- 紙おむつや生理用品を流さない。
- 食用油や野菜くず、食べ残したものなどを、流さない。
浄化槽の電源を切ってしまうと、汚水をキレイにする効果がすべてなくなる可能性があるので絶対にやめましょう。
浄化槽は汚水をキレイにするための装置なので、紙おむつなどは分解できません。
他にも私が住み始めるときに言われた注意点があります。
- 洗剤を使いすぎない。
- 味噌汁やラーメンの汁を流しすぎない。
浄化槽は微生物の力で水をキレイにしてます。
洗剤や味噌汁などを流しすぎると、浄化槽内の微生物が死んでしまって水をキレイにできなくなるんです。
我が家は気を使って生活してるわけじゃないですが、洗剤や味噌汁の流しすぎで問題になったことはありません。
普通に生活してる分にはなんの支障もありません。
浄化槽の家に暮らした感想
はっきり言って、特段の不満や不便はありません。
- 浄化槽の設置費用はかかりましたが、下水道を敷地に引き込むのだってお金かかるのはいっしょ。
- 定期的なメンテナンスのために清掃会社にお金を払わなきゃいけませんが、下水道だって水道料金といっしょに下水道料金を払ってます。
- 定期的なメンテナンスの実施が必要ですが、立ち会う必要がないので負担に感じることもありません。
せっかく見つかった土地が浄化槽が必要な地域だと、少しショックを受けるかもしれません。(私は少しイヤでした。)
でも、浄化槽がある家での暮らしは、下水道が整備されてる地域での暮らしとほとんど変わらないんです。
すごく不便なことがあるわけじゃないし、すごくお金がかかるわけでもない。
少なくとも、我が家は浄化槽がある家で楽しく暮らしてます。
浄化槽が必要な土地でも、何にも問題ありませんよ。
さいごに
私が家を建てるとき、浄化槽の設置費用が必要と聞いて少しイヤでした。
余計なお金は払いたくないし。
でも、浄化槽は私たちの生活で発生する汚れた水をキレイにしてくれる大事なもの。
浄化槽があるおかげで、洗剤などが混ざった汚い水をそのまま川に流さずに済むんです。
「川を必要以上に汚さず、子どもたちの世代に引き継いでいくために必要なのが浄化槽」って考えたらイヤな気持ちもなくなりました。
浄化槽のおかげで、自分たちの生活と自然環境を結びつけて考えられたような気がするんですよ。